音楽の力で楽しく脳を活性化!
取組概要
片手だけで弾けるマトリョミンのバリアフリー性を片麻痺リハビリに活かし、演奏動作に敏感に反応する演奏特性を認知症予防に活用する試みです。マトリョミン演奏を体験してもらう「認知症マトリョミン演奏サロン」を9月19日から12月11日にかけて、「ソラモ」「クリエート浜松」他、カフェや公民館において、一般市民を対象にイベント開催しました。
なお、演奏楽器として開発されたマトリョミンは動作に敏感に反応するため、いきなり演奏できるものではありません。指導者が受講生の手を取り演奏に直接介入し演奏動作を補助し、演奏できる喜びを感じてもらえるように心がけました。演奏できる喜びと難しさで脳を活性化させることをねらいとした事業です。
事業成果
本事業がターゲットとしているご高齢の方は「認知症」への関心が高く、かつ新聞を購読されている方が多いと考え、静岡新聞の挟み込みタブロイド判広告紙「びぶれ」に、「認知症マトリョミン演奏サロン」に関する広告を出稿しました。その結果、「認知症マトリョミン演奏サロン」への申し込みや問い合わせの電話を受けた際、イベントについて何を通じて知ったか質問したところ、「びぶれ」紙を上げる方が多かったです。
世界アルツハイマーデー(9月21日)の特集と重なり、中日新聞で取り上げられ(2023年9月23日と10月21日)、NHK静岡、SBSテレビから取材申し入れもありました。これらも先述の「びぶれ」紙がきっかけだったと考えます。
放送実績
・NHK(2023年10月2日「たっぷり静岡」)
・SBS(2023年10月5日「LIVEしずおか」)
※NHKもSBSも放送後にweb配信され、SBSの記事はYahooニュースにもなりました。
本事業を波及させるために、以下の機関と連携してイベントを実施しました。
8月24日 (水) ひよりカフェ(浜松市認定認知症カフェ)
9月13日 (水) ニコニコカフェさくら台(活動休止中の認知症カフェ)
今後の展開・展望
今回の事業を通じて開発した演奏指導法を、昨年実施した事業の取り組みにおいて、脳卒中を患い麻痺後遺症が残った女児に対し、試してみる予定です(令和6年春ごろ)。浜松市内でも脳卒中を患い、麻痺後遺症が残った人は多く、そういう人たちにマトリョミン演奏の可能性を知ってもらうためには地道な広報活動にも取り組むが、医療機関と連携し訴求する必要性があると思いました。
浜松アーツ&クリエイション
事務局より
弾くことができないストレスは参加意欲の低下につながる場合があります。本事業は、弾く喜び・楽しみを感じてもらうために、トレーナーが手を取って演奏を補助する手法を取り入れました。徐々にトレーナーが手を緩め自立演奏へと導きます。精神集中している証拠である「テルミン顔」になりつつも、楽しんで演奏している様子が伺えました。参加者から「そこに仲間がいて、一緒に楽しむことは認知症予防につながりそうです。」と感想を聞くことができました。多くの方に体験していただけるように各地で開催されることを期待します。