PROJECT
事業・支援内容

竹内 正実

障がいを負う人が電子楽器テルミンやマトリョミン演奏に取り組む様子の紹介

アーティスト等が行う創造事業支援

障がいを負う人が電子楽器テルミンやマトリョミン演奏に取り組む様子の紹介

「左利き」テルミン奏者として

取組概要

今年度は2つの取り組みを実施した。
取組①:申請者竹内正実は2016年に脳出血を患い、後遺症で右半身に麻痺が残った。2022年1月に利き手の役割を入れ替えた「左利き」のテルミン奏者として、再起を図ることを決意した。リハビリに励み、奏者としての再生を模索する試みについて動画にまとめ、YouTubeで公開。
取組②:5歳の時に小児脳卒中を患い、後遺症として麻痺が残る奈良県在住の10歳の女児に対し、マトリョーシカ型テルミン「マトリョミン」を用いリハビリの可能性を模索する試み。4か月間奈良に通い、月に1回の頻度でレッスンを実施した様子を動画にまとめYouTubeで公開。

障がいを負う人が電子楽器テルミンやマトリョミン演奏に取り組む様子の紹介

事業成果

取組①:今回の事業を通じて、楽器奏者にとって麻痺は致命的だと考えられているが、楽器の演奏特性次第では、再起を図ることも可能であることを示せた。また、「脳の再編」の可能性があることは器楽奏者だけでなく、脳卒中後遺症として麻痺に苦しむ人にとって、希望に繋がればと考えている。
取組②:マトリョミンには楽器の演奏特性として「聴覚運動連関」があることについて再認識した。上手に弾けたこと「心地よい」「気持ちよい」と思える音を奏でられた際の快感として直接「報酬」となるため、リハビリにも有効であることが科学的視点からも判明した。また、この特性は認知症予防の可能性も秘めていることが分かった。

障がいを負う人が電子楽器テルミンやマトリョミン演奏に取り組む様子の紹介

今後の展開・展望

取組①:テルミン演奏の内容は「右利き」で演奏していた水準を凌ぐことを目標とする。
取組②:マトリョミンは麻痺障がいのリハビリツールとして以外に、認知症予防にも有効であることについても、大学や医療機関との連携を図り進めていきたい。

浜松アーツ&クリエイション
事務局より

今回の事業では、竹内さんが行う取り組みに並行して東京大学の中澤教授による協力の元で、マトリョミンが、身体的リハビリに効果があることを科学的視点から研究する取り組みが行われました。「左利き」奏者として復活を遂げた竹内さんの姿・テルミンに取り組む姿勢は、同じ境遇の方々にとって1つの希望・モチベーションになったと確信しています。